サイディング外壁の劣化の症状とメンテナンス方法について

現在の住宅では、一般的に外壁としてサイディングが利用されています。しかしながら、外壁は時間の経過とともに避けられない劣化が発生します。そのため、外壁の状態に不安を感じることは一般的です。

今回は、サイディング外壁の劣化症状や劣化を防ぐ方法、メンテナンスについてご紹介します。


サイディング外壁とは

まず初めに、サイディング外壁とは何かについて説明しましょう。サイディングは、建物の外壁を覆う素材であり、美観だけでなく耐久性も提供します。さまざまな素材で作られており、用途や好みに応じて選択できます。


窯業(ようぎょう)系サイディング

窯業系サイディングは、陶器やセラミックのような焼成された素材で作られています。その特徴は美しさと耐久性であり、独自のテクスチャーと色合いです。耐久性が高いため、長寿命な外壁材料として人気です。


金属系サイディング

金属系サイディングは、アルミニウムやスチールなどの金属で作られており、非常に耐久性があります。また、軽量で取り扱いやすく、メンテナンスが比較的簡単です。金属系サイディングは現代的な外観を持ち、防火性にも優れています。


木質系サイディング

木質系サイディングは、自然な風合いと温かみを提供するために木材で作られています。木質系サイディングは美しい外観を持ち、建物に自然な魅力を加えます。ただし、定期的なメンテナンスが必要で、防水処理が重要です。


樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、塩化ビニルなどの樹脂材料から作られており、軽量で耐久性があります。さまざまなデザインや色が利用可能で、メンテナンスが簡単です。


サイディング外壁の劣化症状

サイディング外壁は、住宅の外観を美しく保つだけでなく、建物を外部の要素から守る重要な役割を果たしています。しかし、時間と気象条件の影響を受けることで、サイディング外壁にも劣化の兆候が現れることがあります。ここでは、サイディング外壁の主要な劣化症状とそれらの兆候について詳しく説明します。


色褪せ・チョーキング



症状

サイディング外壁の色合いが鮮やかさを失い、くすんだ印象を受けることがあります。また、外壁に触れると手に白い粉がつくことがある。


原因

太陽光や風雨にさらされることで、外壁の表面に含まれる顔料が劣化し、チョーキング現象が発生する。


コーキングの劣化


症状

サイディングの接合部や窓周りのコーキングが剥がれ、隙間やひび割れが見られる。


原因

コーキングは密封材として機能し、外部の水や空気を遮断します。しかし、時間と共にコーキング材は乾燥し、劣化します。


カビや苔の発生


症状

外壁の表面に緑色や黒色の斑点が現れ、カビや苔が繁殖しているように見える。


原因

湿度の高い環境や陰湿な場所では、カビや苔が成長しやすく、外壁に付着することがあります。


クラック(ひび割れ)


症状

サイディング外壁に細かいひび割れや亀裂が見られる。これらのクラックは、外壁の一部が縮んだり膨張したりすることによって発生する。


原因

温度変化や建物の地盤の動きにより、サイディング外壁にクラックが生じることがあります。


サイディングのそりや浮き


症状

サイディングパネルの一部が外壁から浮いたり、歪んだりしている。


原因

不適切な取り付けや湿度の変化により、サイディングパネルが浮いたり歪んだりすることがあります。



サイディング外壁の耐用年数



サイディング外壁の一般的な耐用年数は、おおよそ30~40年とされています。これは、適切に取り扱い、定期的なメンテナンスを行う場合の目安です。しかし、メンテナンスを怠ると、サイディングの寿命は短縮される可能性があります。


メンテナンスの重要性



サイディング外壁は、外部にさらされており、気象条件や汚れ、カビ、紫外線から守る役割を果たしています。しかし、時間とともにこれらの要因により劣化が進行します。特に、定期的な清掃、塗装、ひび割れの修復などのメンテナンスを怠ると、外壁の寿命が急速に短くなります。

10年、15年、20年とメンテナンスを怠って放置すると、外壁の劣化が進み、40年の寿命を持つはずのサイディングも早くに交換が必要になることがあります。このような状況では、外壁の美観や性能が損なわれ、建物全体の価値にも影響を及ぼす可能性があります。

したがって、サイディング外壁の長寿命を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。外壁の清掃、塗装、ひび割れの修復を計画的に行うことで、外観を美しく保ち、建物を効果的に保護することができます。


サイディング外壁のメンテナンス方法は?

サイディング外壁は、建物の美観を保ちながら耐久性を維持するためには、メンテナンスが必要になります。


コーキングの剥がれが発生した場合

コーキングは、サイディングの接合部や窓周りなどのシーリングに使用されます。コーキングが剥がれてしまった場合は、早めの対応が重要です。新しいコーキングを打ち換えることで、外壁の密閉性を確保し水や空気の浸入を防ぎます。注意すべきは、コーキングの耐用年数が約5年から10年程度であること。定期的な点検と交換が必要です。


チョーキングや苔の発生した場合

外壁の表面に色褪せや白い粉状のチョーキング、または緑色や黒色の苔が発生することがあります。これらの場合は、サイディングの塗替えが有効です。

使用する塗料によって耐用年数は異なりますが、適切な塗料を選ぶことで外壁を保護し、美観を取り戻すことができます。


サイディングのひび割れやそりの場合

外壁にひび割れやサイディングパネルのそりが見られる場合、サイディング外壁の貼り替えまたはカバー工法による重ね貼りが考えられます。ひび割れた部分を放置すると、水の浸入や経年劣化が進み、外壁全体に影響を及ぼす可能性があります。早めの修復が大切です。


サイディング外壁のメンテナンスは、建物の美観と耐久性を保つために欠かせない作業です。定期的な点検と必要に応じた対策を行うことで、長寿命な外壁を維持し、住まいを守りましょう。メンテナンスにかける労力と費用は、将来の修繕コストや外壁の寿命延長につながります。


まとめ

サイディング外壁は、建物の外観を魅力的に保ち、同時に耐久性がある外壁の素材です。

しかし、外壁も時間と気象の影響を受けて劣化します。本記事では、この劣化の兆候と、それを防ぐための適切なメンテナンスについて説明してきました。

建物の外観は、私たちの住環境に大きな影響を与えます。

劣化症状を見逃さず、定期的なケアを行うことが不可欠です。

最後に、サイディング外壁の劣化症状とメンテナンス方法についての知識を活かし、大切な住まいを長く楽しんでください。

劣化が見られた場合は、専門家のアドバイスを受けながら、適切な対策をおこなってくください。


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